経営法務ニュースVol.28(2023年10月号)

はじめに

鴻鴻和法律事務所 弁護士・中小企業診断士 壹岐晋大のメールニュースです。

先日、所属している弁護士会野球部のメンバーで PayPay ドームで試合をしてきました。

ペイペイドーム

PayPay ドームは「草野球プラン」という2時間約40万円で借りることができるプランがあります。電光掲示板の利用やアナウンス(ウグイス嬢)などはオプションになります。

ポテンヒットと三振というなんともいえない打撃成績でしたが、楽しい時間を過ごしました。

野球をするのは2年ぶりで、年齢(肩、腰の痛み)を感じながらこの記事を書いています。

今回の記事
  • お知らせインボイス制度対応について
  • 雑感社長からの相談で思うこと(これってダメですよね?)
  • インボイス制度対応について

    今月より消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度(適格請求書等保存方式)が導入されました。

    私の適格請求書発行事業者登録番号は以下のとおりです。

    T7810597280427
    参考:国税庁適格請求書発行事業者公表サイト

    10月以降のお取引については、適格請求書(インボイス)の記載事項を満たした請求書を発行いたします。

    ※実費の扱いについて

    実費の請求(立替金)については、従前どおり明細を送付させていただきますが、その中で消費税課税対象とされる実費については当方で取得したインボイス請求書も提供させていただく予定です。

    ただし、個別の事件などで消費税課税対象とされる実費が高額になる場合には顧問先様、依頼者様の経理処理が煩雑となる場合もあるため、実費相当額を含めた顧問料、弁護士費用として請求させていただくことも意向に応じて予定しております。

    詳細でご不明な点等は遠慮なくご連絡ください。

    社長からの相談で思うこと(これってダメですよね?)

    10月からはインボイス制度が始まり、来年1月からは電子帳簿保存法対応が始まるなど、皆様の会社でも対応に追われているのではないかと思います。

    さて、今月は少しゆるい内容で、社長からの相談で思うことについて書いてみます。

    よく、勉強されている社長からは、

    社長からの質問

    といった感じで相談を受けることがあります。

    例えば、

    • 「競業避止の誓約書ってあれ書かせてもだめですよね?」
    • 「この事案で、解雇って難しいですよね?」
    • 「従業員に対する損害賠償請求ってできないでしょ?」

    といった内容です。

    このようなテーマは特に労務問題が多く、やはり労務問題については会社の立場が弱いことを社長は知っています。

    弁護士の立場として、そのような質問を受けたとき、

    「そうですね・・・難しいですね・・・」

    と回答するのが正しくはないですが楽です。

    「いけますよ!」

    って伝えて、認められなかったらクレームになるし、社長も諦めてくれてるから説明しやすいし・・・と思ってしまうものです。

    ただ当然ですが、顧問弁護士の立場であれば、会社の利益のためにできることできないことをしっかりとアドバイスする姿勢が必要だと思います。

    そのような諦めさせることばかり上手になるより、最近の裁判例などを研究し、研鑽を続けながら、どこまでが認められるのかを突き詰めて考えて行くことが大事です。

    インターネットで見つかる情報は、弁護士が解説するものも含め抽象的に「難しい」「厳しい」と書かれているものが多いと思います。

    しかし、現実の問題は、インターネットに記載されているような典型的なケースばかりではなく、個別具体的な事情が沢山ある中で判断されます。

    • 競業避止でも、誓約書の作成のタイミングがいつで、会社としてどういう目的でどこを制限しているのか明確になっていれば・・・
    • 解雇でも、解雇が法的に無効になりえるケースでも、社長の思いや、従業員への影響などを考慮すれば・・・
    • 従業員への損害賠償請求でも、従業員の会社での勤務状況や、事故の態様などからすれば・・・

    といった、一歩踏み込んだ検討とアドバイスの重要性を感じるところです。

    当然、難しいものは難しいと伝えます。

    しかし、顧問契約という継続的な信頼関係から、私も一歩踏み込んだ対応を実行しやすくなるのが、スポットで事件を受任するのと異なる場面だなと実感します。

    また、負ける可能性が高くてもやる必要がある場面はあります。(そればかりだとつらいですが。)

    水は低きに流れ、人は易きに流れると言いますが、弁護士としても社長と同じ目線で挑戦していくことが大事だと、自戒を込めて書いてみました。