経営法務ニュースVol.62|2026.08
令和8年熊本地震について
このたびの令和8年熊本地震により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
被害に遭われた地域の一日も早い復旧・復興を、心よりお祈り申し上げております。
皆様の中にも、被災地にご関係のある方、ご心配な状況にある方がいらっしゃるかもしれません。
どうかご自身とご家族の安全を最優先に、無理のないようお過ごしください。
気づけば40年
私事ですが、先月誕生日を迎えて、40歳になりました。
「四十にして惑わず」とは孔子の言葉ですが、
今後は、法律相談時にも、惑わずバシバシアドバイスもしていきたいと思います。
メロンにするか桃にするか、かなり迷いました。
今回の記事
- 経営法務TOPICS
- 改正公益通報者保護法と中小企業の留意点
- 2016年12から、改正公益通報者保護法が施行されます
- 従業員から社内の不正の告発があったときに、意外としてしまうことが禁止されています
- 問題社員を解雇しようとしたら、公益通報されて、会社側による解雇のハードルがあがってしまう、、そんなことも考えられます
公益通報者保護法の概要
「公益通報者保護法」は、社内の不正を告発した従業員らが、解雇や減給といった不利益な仕打ちを受けないよう守るための法律です。
対象となるのは刑法や個人情報保護法など、500本以上の法律に触れる不正行為です。
罰則の対象となる不正行為が対象となりますので、通報等で一般的に想定されるパワハラ、セクハラは、それぞれの法律(パワハラ防止法(労働施策総合推進法)、男女雇用機会均等法)で犯罪行為などの規定はないため、対象外です。
ただ、暴力行為などの犯罪行為に該当すると対象となります。
保護対象は正社員のみならず、パートや取引先の社員、退職者、さらには役員まで幅広く含まれています。
中小企業にも適用されるルール
300人以下の企業では窓口設置などの態勢整備義務は、努力義務ですが、以下の事項などは規模を問わず全ての企業に義務付けられています。
- 通報を口止めしたり、不利益を予告したりする妨害行為の禁止
- 正当な理由なく通報者を特定しようとする「犯人探し」の禁止
- 通報を理由とした解雇や懲戒などの不利益処分の無効
違反した場合、個人への刑罰や、法人に対しても高額な罰金が科されるリスクがあります。
2026年12月の改正ポイント
2026年12月1日から施行される改正法により、企業の負担はさらに増すことになります。
まず、フリーランスも新たに保護の対象となりました。
外部の委託先からの通報にも細心の注意が必要です。
また、通報を理由とした解雇等に対し、直接的な罰則が新設されました。
これまでの民事上の無効だけでなく、刑事罰のリスクを負うことになります。
さらに、後述する「立証責任の転換」により、企業側が正当性を証明するハードルが上がります。
「犯人探し」と守秘義務の厳守
管理職がやりがちな「誰が書いたか」を探したり、本人を問い詰めたりする行為は厳禁です。
こうした行為自体が違法とみなされます。
また、対応担当者には法的な守秘義務があり、情報を漏らせば罰金刑に処される可能性もあります。
社内情報の取り扱いには、これまで以上の慎重さが求められます。
直接的に誰とは、言わなくても特定できてしまうとそれは問題となります。
立証責任の転換による法的リスク
実務上最も影響がありそうな改正点は、通報後1年以内の処分は「通報への報復」と推定される点です。
たとえ正当な理由による懲戒であっても、企業側が「通報とは無関係であること」を証明できなければ、不当な処分と判断されてしまいます。
問題社員への対応を進める際は、その経緯や根拠をこれまで以上に厳格に記録として残しておかなければなりません。
通報ルートの多様化と体制整備
通報先は社内だけでなく、役所やマスコミといった外部にも開かれています。
「社内では話を聞いてもらえない」と思われれば、いきなり外部へ通報され、企業イメージが失墜する事態も考えられます。
まずは社内で適切に自浄作用を働かせる仕組みを作ることが、最大の防衛策となります。
まとめ
たとえ努力義務であっても、禁止事項を破れば甚大な実害が生じます。
全社員への教育やルールの周知が必要です。
具体的な規程の整備や、難しい判断を迫られる懲戒対応など、不安な点があればいつでもご相談ください。



