経営法務ニュースVol.22(2023年04月号)

はじめに〜君の名は〜

春は出会いと別れの季節とも言いますが、私にも顧問先企業様の担当者が異動になったり、所属団体の役員が変更になったり、出会いや別れがある季節です。

そんな新たな出会いも多い季節で、自己紹介をする機会もありますが、私はよく名前を間違えられます。苗字も名前も珍しいのでどちらもよく間違えられます。

私の名前は「壹岐晋大(いきしんだい)」と言います。

ちなみによく「壱岐」と書かれますが、これは「壹岐」の略字なので、間違いではないです。

私もよく使います(「変換できなかった」というケースが多いです)。

間違いで多いのは「壷岐」です。

「壹」という字はあまり使わないため、「壷」と見えてしまうのだと思います。

間違い

名前で間違えられるパターンは「普大」「晋太」です。

点をつけないと落ち着かないのかもしれません。

間違い

「壹岐晋大」の4文字の中で、「岐」という字だけは間違われることがなかったのですが、ついに「壷枝」という誤記をされてしまい、4文字全滅してしまいました。

間違い

ちなみに、私はスマホの「誤記フォルダ」で誤記写真を集めています。

私のお気に入りは、和食で出てきそうな名前の「壹岐晋丈」です。

間違い
今回の記事
  • 経営法務TOPICS従業員を採用する場合の注意点(問題社員リスクを回避するために)

従業員を採用する場合の注意点(問題社員リスクを回避するために)

4月は新たな従業員を採用される企業も多いと思いますが、採用後に「聞いていた話と違う・・・」「全然営業の成果が出ない・・」ということもあります。

基本的に会社は成績の上がらない従業員や問題社員に対し注意指導をして教育していく形になりますが、それも難しいケースもあるでしょう。

前提として採用は非常に難しいです。

はじめは様子を見ようとしても、良い条件ではないと良い人材は採用できない・・など悩みはつきません。

私が弁護士として相談を受けるのは「素晴らしい社員だから給与を上げたいがどうしたらよいか??」ではなく、「問題社員だからなんとかしたい・・・」なので、バイアスがかかっていることは承知した上で、法的な対応として、「採用時にしておけばよかったですね」とよく伝えることを書いておきます。(4月採用ならもっと前に記事にした方が良かったと反省しています。ただ中小企業の採用は4月に限らないので、今後のご参考までに・・)

①試用期間を定める

試用期間は通常3〜6か月で定められますが、その期間に従業員の適性を判断し、もし問題となる行動が多く適正がないと判断した場合には、試用期間満了で本採用を拒否するという対応が考えられます。

試用期間からの本採用拒否であれば、無条件に有効になるわけでは当然無いですが、試用期間のない社員を問題があるとして解雇するより、有効となるハードルは下がります。

同様の方法として、有期契約にするという方法もあります。

いわゆる更新するか否かについて、契約期間満了時に判断するというものです。

②成果については歩合、賞与などで支給する

営業職などの場合において、前職での営業経験などを理由に基本給として高額な給与を設定した場合には、入社後成果が全く出なかったとしても、基本的に固定給を一方的に切り下げることができません。

そのため、営業の成果により給与を支給する場合には、歩合や賞与などで支給することで、実際には全く成果が出ない場合におけるリスク回避になるでしょう。

ちなみに、年棒制もこれらと似た対策になります。

年棒制であれば会社が自由に年間の給与を設定できると考えられている方もいますが、年俸額決定については、目標と達成状況との関連性などを踏まえ合理性、公正性、客観性に乏しいと、年俸決定権限の濫用として無効となるケースも多いので、設計には注意が必要です。

③秘密保持、競業避止の誓約書を書いてもらう

長年勤めた後、退職する段階になって、会社の顧客情報などの秘密情報を持ち出そうとしたり、会社のお客さんを奪って近くで独立するなどの対応をする従業員が出てきたりします。

その時点になって、秘密情報の持ち出しを制限したり、近くでの独立を制限したりしたいという相談がありますが、入社時の段階で誓約書を取り交わしておくのが有用です。

というのも退職時には会社と従業員の関係は悪化している可能性があり、一般的な誓約書であっても記入を拒否されるケースが多いためです。

当然、入社時に誓約書を書いたとしても、誓約の内容が厳しすぎるケース(例えば、退職後場所をさだめず3年等の長期間同種の仕事をしてはいけない等)は無効になりますので、注意が必要です。

以上が採用後問題社員となった場合や、低い成績となった場合におけるリスクを回避する方法です。

ただこれらは結局、従業員から見れば条件が悪いと見られるものです。

優秀な従業員の採用には、良い条件の提示が必要になるので、そのバランスが難しいところです。