経営法務ニュースVol.43|2025.01

おみくじ

今年のおみくじの結果は大吉でした。

弁護士たるものまずは、「争事」を見ます。

「人の助言あれば勝」とのことです。

基本的に助言する方ですが、今年はご安心ください。

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建設業者だけの法律ではない!?改正建設業法対応のポイント

最近のご相談の傾向

働き方改革が始まってから、はや5年が経過しました。

コロナ禍、急激に進む高齢化、地方の人手不足などに伴い、新たな雇用形態での採用や、現従業員の雇用条件の変更などのご相談が増えてきました。

労働条件の変更の方法には、就業規則の変更による場合や各従業員との合意による場合など、方法は様々です。

特に労働条件が従業員にとって悪化するケース(全体的には悪化しないようでも一部の条件が悪化するなどのケース)では対応について注意が必要です。

従業員に対する説明の方法や後に紛争化した際に争われないための書類の作成など、不明点があれば遠慮なくご相談ください。

2025年法改正まとめ

2025年以降に改正する(施行される)主な法律について紹介します。

4月1日〜

改正・育児介護休業法

子の看護休暇が見直され、対象となる子の範囲が拡大され(小学校就学の始期に達するまで→小学校3年生修了まで)、取得事由なども拡大します(病気・怪我、予防接種・健康診断+感染症に伴う学級閉鎖・入園式・卒園式も追加)。

所定外労働の制限(残業免除)の対象労働者の範囲が拡大します(3歳未満の子を養育する労働者→小学校就学前の子を養育する労働者)。

従業員数が300人を超える企業に、育児休業取得状況の公表義務等が課されます(改正前は1000人超)。

東京都カスタマー・ハラスメント防止条例

東京都の条例であるため、福岡には直接影響はないですが、今後法整備や全国的な条例の整備が進むことが予想されます。

10月1日〜

改正・育児介護休業法

3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に対して、以下の5つの措置の中から、2つ以上の措置を選択して講ずる必要があります(労働者はその中から1つ選択できます。)。

①始業時刻等の変更
次のいずれかの措置(一日の所定労働時間を変更しない)
  • フレックスタイム制
  • 始業または終業の時刻を繰り上げまたは繰り下げる制度(時差出勤の制度)
②テレワーク等
一日の所定労働時間を変更せず、月に10日以上利用できるもの
③保育施設の設置運営等
保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与をするもの(ベビーシッターの手配および費用負担など)
④養育両立支援休暇の付与
一日の所定労働時間を変更せず、年に10日以上取得できるもの
⑤短時間勤務制度
一日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含むもの

12月まで

改正建設業法

先月号でも紹介しましたが、建設業者ではない事業者も規制対象である建設業法が改正されます。

不当に低い請負代金や、著しく短い工期での発注などが禁止されます。

2026年以降

下請法

下請法が適用されるかどうかの基準は基本的に資本金額が前提とされていましたが、資本金だけの基準では適用逃れが発生するため、この基準に従業員数が追加される見込みです。

製造業や運輸業では従業員300人超の親事業者が300人以下の下請事業者に発注する場合が対象となる見込みで、サービス業では上記の人数が100人となる見込みです。

フリーランス新法など、下請法・独禁法などの関連で近年改正が続いているので、要注意です。